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担い手支援のため「いちご生産団地」新設/県内唯一の取り組み/JAあいち三河

2020/09/28

 JAあいち三河は、2018年からイチゴ新規就農者の育成を目指す「いちご産地活性化プロジェクト」に取り組んでいます。自己改革の柱として取り組む同プロジェクトでは「いちご塾」を開講し、愛知県内でも有数のイチゴ産地である岡崎市、幸田町での新規就農者の育成、定着を支援するため年間を通じてイチゴ栽培の研修を行っています。この度、めでたく卒業した一期生の就農場所確保や面積拡大を図る既存農家の新たな生産ほ場として、新たに「岡崎市竜泉寺地区いちご生産団地」を建設しました。1つのJAで研修施設やいちご生産団地を作り、担い手支援を行うのは全国的にも珍しく、愛知県内では唯一の取り組みです。また、持続可能な開発目標(SDGs)の「飢餓をゼロに」などの取り組みの1つでもあります。
 9月24日、岡崎市竜泉寺町で同イチゴ生産団地農場の竣工式を開催し、岡崎市の内田康宏市長や幸田町の成瀬敦町長、同JA大竹博久専務ら約30人が出席しました。同農場の完成を来賓者に向け披露し、今後の事業発展を祈願しました。
 同農場は高設栽培用の丸型ハウスが全7棟。敷地面積は1万2459平方㍍で栽培面積は約75㌃。携帯やパソコンでハウス内の温度や湿度、炭酸ガスなどをモニタリングすることができる「あぐりログ」も設置し、農家の省力化や生産性向上を支援します。今後は「いちご塾」を卒業し、今年から新規就農者となった第1期生や規模拡大を目指す既存農家など計4人が活用していきます。
 同JA大竹専務は「今後もイチゴ産地の維持、発展に繋がるようJAとしてサポートを行っていきたい」と話しました。
 今年3月に「いちご塾」を卒業し、同ハウス2棟で栽培を開始する1期生の鴨下里美さん(44)は「イチゴを栽培するという夢が叶ったことに嬉しく思う。岡崎市いちご部会の一員として美味しいイチゴを栽培していきたい」と抱負を述べました。
 同JA管内である岡崎市、幸田町は、県が行った2014年の生産構造分析によると10年後にはイチゴ農家の人数が半減し、栽培規模も縮小してしまうという結果が問題視されていました。その課題を解決するため、同JAでは昨年より「いちご生産拠点研修農場」を建設し、「いちご塾」塾生が新規就農を目指し研修に取り組んでいます。今後は、2029年までに30人のイチゴ新規就農者の育成の定着を目標に、地域農業の活性化を目指していきます。

写真=同農場の発展を祈願する大竹専務(24日、岡崎市竜泉寺地区いちご生産団地で)