管内の農産物
ナス
促成(ハウス)ナス
管内の「促成(ハウス)なす」は、岡崎市と幸田町で栽培されています。
西三河は県下最大の促成なす産地!!
西三河地域の「促成なす」栽培は、矢作川流域を中心とした肥沃な土壌と温暖な気候、近隣に消費地を抱えるなど、地の利を活かした栽培が古くから行われてきました。
昭和30年代には油紙を使った保温が、36年頃には農業用ビニールが普及し始め、西三河中部、南部を中心に半促成栽培が導入され、「施設なす(促成なす)」も単棟の竹幌ハウスで行われるようになりました。昭和40年代になると、露地野菜から大型施設や暖房機の導入による集約栽培型に移行し、現在の施設栽培の基礎が築かれました。
昭和47年以降には、より快適で効率的な作業環境と、高品質生産を目指して、各地区に本格的な「なす団地」が建設されました。
販売については、昭和48年に岡崎市旧3農協(六ツ美、矢作、葵)が、当時としては画期的な一元共同販売体制を確立。荷口の大型化、出荷調整機能が発揮され、安定価格の確保など多大な効果を収めました。この方式は高く評価され、昭和50年に旧西尾市農協と旧三好農協の「なす部会」が参加して「西三河促成なす部会」を設立、翌51年には旧幸田町農協なす部会が参加して、全国初の広域共計共販体制が確立しました。また、平成14年度からは碧南なす部会も参加し、7支部での活動となりました。
栽培については、平成14年、翌15年に養液土耕栽培システム(「土」をそのまま活用し、必要な時に必要な施肥を点滴チューブにより潅水施肥する方法)による栽培が導入され、作業の省力化、品質向上に大きな成果を挙げることが出来ました。
食の「安心・安全」が叫ばれる中、西三河促成なす部会を中心に「GAP:Good Agricultural Practice(農業生産工程管理)」への取り組みも行われています。GAPを取り入れることにより、食品の安全性向上、環境の保全、労働安全の確保、競争力の強化、品質の向上、農業経営の改善や効率化に資するとともに、消費者や実需者の信頼の確保に努めています。
促成なすについては長い歴史の中で、西三河一体の「広域共計」という画期的な販売方式を導入し、販売力強化の基盤を確立してきました。昭和61年産からは、出荷ダンボールに「※鮮度保持ダンボール」を導入、品質の安定を図ってきました。また、広域共計による一元配荷、契約出荷、コンテナ出荷などさまざまな取り組みを行っています。
しかし近年、大型店舗による安売り競争、産地間競争の激化による販売価格の低迷、輸入原料価格の高騰による生産費の拡大、高齢化による部会員数の減少など、問題が山積しています。
今後、ますます産地強化を図る為、担い手の育成、消費者ニーズに合った栽培、販売の検討が進められています。
※鮮度保持ダンボール:一般のダンボールに鮮度保持紙を組み入れた特殊構造ダンボール。1ケース当たりの資材費は高くなるが、作物の日持ちは格段に向上する。
露地(夏秋ナス)
管内の「露地なす」は、岡崎市、幸田町で栽培されています。
JAあいち三河の夏秋なす栽培は、農協合併により現在3つの支部で活動しています。
岡崎市の夏秋なす栽培の歴史は新しく、促成なすの生産者5名が夏場の副業産物として共同販売を開始、平成7年2月に部会を発足し現在に至ります。
幸田町の夏秋なす栽培は昭和40年代にさかのぼり、当初は逆川地区の「逆川露地なす組合」という任意団体で持ち寄り共選が行われていました。昭和50年4月に露地なす部会が設立され、以降順調に生産者数、作付面積を伸ばしてきました。
旧額田町では、平成6年1月に露地なす部会が設立され、本格的な共同出荷体制を整えました。当初は生産者23名で栽培面積80aと農家の経営規模は小規模でしたが、平成9年に検査ラインを設置し検査体制の強化を図るなど、JAと生産者の真剣な取組みにより品質の向上と有利販売につなげ、徐々に規模を拡大してきました。
栽培当初は中卵形の様々な品種にも取組みましたが、品質の向上と産地のブランド化を目指して長卵形の「黒陽」、現在の「筑陽」へと品種転換し、現在では長なすのブランド産地として県下では高い評価を受けています。
平成16年1月に3支部が参画して発足した「JAあいち三河 夏秋なす部会」では、品評会、消費宣伝会、野菜価格安定対策事業など様々な事業に取組み、更なる向上を目指し活動を行っています。