管内の農産物
ブドウ
管内の「ぶどう」は、岡崎市と幸田町で栽培されています。
岡崎市の果樹はぶどうに代表され、主な栽培地域は、阿知和、駒立、滝地区など旧岡崎市葵農協管内です。ぶどう生産者組織は、(1)市場対応、全量出荷原則の「JAぶどう部会」と、(2)ぶどう狩り観光農園の「岡崎駒立ぶどう狩組合」がありますが、まず「JAぶどう部会」について紹介します。
岡崎市のぶどう栽培は、昭和30年頃から開墾による植栽が進められ、以後順調に栽培面積、生産量を伸ばしてきました。旧岡崎市葵農協ぶどう部会が、昭和47年頃から共同出荷体制を確立して、中京市場をはじめ地元市場を中心に出荷してきました。品種は「デラウエア」が主体でしたが、近年大粒系品種への更新が進み、現在は9割以上を「種なし巨峰」が占めています。
幸田町のぶどう栽培は、昭和29年頃、須美地区で始められました。特産「筆柿」の収穫が始まる9月半ばまでに出荷を終えることのできる副業作物として、試験栽培がおこなわれてきました。昭和35年頃には、須美地区を主体に長嶺、野場地区などに20名前後の栽培農家があったといいます。しかし、当時はジベレリン処理(果実の肥大促進や品質向上、種なし処理の技術)が完成されていなかったため、天候に左右されやすく、栽培技術が非常にむずかしかったことなどから、一時3名にまで生産者が減りました。
昭和56年からジベレリン処理の技術を導入。以後生産量、品質とも格段に向上し、現在5名の生産者が534アールの面積で栽培しています。 最近の生産規模の推移をみると、岡崎市については生産者の半数近くを女性が占め、高齢化も進んでいることから、生産者数、栽培面積とも縮小傾向にあります。一方、幸田町については、部会員5名と少数ながら、施設栽培にも取り組んでいます。 近年、他の作物と同様、ぶどうについても、消費者ニーズの多様化と全国的な生産増加により、産地間競争が激化しています。今後、女性や子供が好むシャインマスカット等の色んな品種のぶどうと高品質なウイルスフリー苗(優良種苗)の導入と生産者組織の強化を図り、経営安定と所得の向上を目指します。